雨の庭、ドビュッシーの「版画」より

人生回り道をしている元受験生、現医学生が、思うことをつらつらと。

折り返しつつ

 

jardinsouslapluie.hatenablog.com

 

直近のエントリが2月だったことに戦慄すら覚える。

その後のことなど。

 

3月 コンサートのためにサックスを練習してるうちに終わった。

4月5月 日々の生活がすなわち解剖学であった。解剖についてはエントリを改める。

6月7月 解剖学が終わり、本格的な座学に移行。講義の知識は残っているのだが、講義自体の印象が皆無。

7月下旬から8月 北海道旅行。恋人と。レンタカーでまあよく走った。余市の再訪が叶ったのと、知床半島の相泊(車で行ける限界)まで行けた。

8月 その他:突発的に名古屋までドライブ、帰省と某学会サマースクールへの参加。

9月 あれ?夏休みは?と思っているうちに講義が始まってしまった(畜生め)。試験勉強して本試験受けてるうちに終わり。

10月 毎年恒例の再試験を受けているうちに後期が始まり、今に至る。

 

来年もこんなカリキュラムになるであろうことがわかっているので、今のうちから落胆を禁じ得ない。医学生なる生き物の宿命らしいが。。。

 

前の大学時代の事を回想すると、私はかなり不真面目な学生だったと思う。

大学に行くのは週一回のゼミの時だけ、なんてこともざらにあったし、経済学部の専門科目の講義で、初回と最終回しか出席しなかったものも一つや二つではない。

当時は(学部四回生の途中までは)卒業したら順当に社会の歯車になると思っていたし、学問そのものを生業にすることなど微塵も考えていなかったからだ。

唯一ほとんど出席したのは医療経済学くらいか。あの講義を聞いたことが今の進路を選ぶにあたり数パーセントくらい影響しているかもしれない。

当時はいったい何をしていたのだっけ?

一回生の頃の記憶はあまり無いのだが、経済的には今ほど恵まれてなかったので諸々のアルバイトに精を出してたように思う。その他は、あてもなく鉄道に乗り、一日中車窓を見ていたことが何度もあった。新快速に乗って、遠く福井や岡山まで日帰りで行ったことも。あとはよく昼間から酒を飲んだり、安いカフェで煙草を吸ったりしていたような。そして京都という狭い町を自転車であちこち移動した。現在まで交流のあるいろんな人と知り合った。

 

現在在籍してる大学は、厳密に出席を管理していて、学則で単位取得に必要な出席回数を定めている。したがって、代筆などの姑息な手段を使わない限り、基本的には全講義の三分の二は大学に行かざるを得ないのだ。

京大時代は、というと殆ど出席を取られた記憶がない。せいぜい、外国語の大部分と門科目の物好きな教員くらいか。講義の出席点というのは、そこに居れば降ってくるありがたい代物だった(とともに、元来怠惰な私は出席すら億劫で出席点を手に入れられず、単位を放棄した科目は数多あり、試験を受けられるものについては期末試験で一発逆転を狙ったものだ)。

しかし、出席なんて取ったところで、である。

その場に居ても講義なんて上の空の人が多いだろうし、出席したところで何にも得ない可能性は大いにあるのだ。逆に、初回最終回以外一度も出席せずとも自宅で資料や成書を読み込んだものの方が、後になっても頭に残っていたりする。

単位についても同じようなもので、試験前の一夜漬けで単位を掠め取った専門科目の中身など、ほとんど覚えてもいないが、単位すら修得できなかった他の学部の講義の中身や、その教員の強烈な個性の方が記憶に残っているものなのだ。

まあ、内容を覚えていることがえらい事だとは思ってはいない。むしろ、記憶の中で眠っている忘れたと思っていた事柄の方が、ある日突然思い出したときに現実で化学反応を起こすように思う。

 

すでに察しの通り、私は単位や出席といったものが好きではない。

そんなものは、せいぜい学びの手段か結果であって、目的ではない。

学び自体は、たとえどんな立派なハコがあろうとも、そこに居ようとも、試験で高得点を取ろうが、学ぶ意欲も興味もなければどうしようもない。

そもそも大半の学びは、ハコなしでも可能なものだ。それが医学部の講義室だろうが、パソコンの画面だろうが、スタバで読んでる本であろうが、得られる知識は変わるまい。(知識が学びのすべてか、といえばそうでもない気がするが)

 

後々我々の中に残るのは、本人が学びたいと思って学んだものだけだと思っている。

だから、私にとっては、数回しか出ていないが忘れられない経済学部の講義も、どこかの喫茶店で煙草をふかしながら読んだ小説も、そして今研究室で読んでいる専門書も、不承不承で出席用紙を書きつつ、面白いと思って聞いているいくつかの基礎医学の講義も、等しく、学びたいと思って学んだものなのだ。

 

そして明日も一限から講義らしい。

聞きたいと思えば、その講義を聞こうと思う。